大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)139 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人衛藤隅三上告趣意は末尾添附別紙記載のとおりである。

論旨第一点に対する判断。

刑の執行猶了の言渡を為すか否かは事実審である原審の自由採量に委ねられてい

るところであるから、原審がそれをしなかつたことに対する攻撃は上告適法の理由

とならないこと既に当裁判所大法廷の判例とする処である(昭和二三年(れ)第二

九六号同年一〇月六日言渡大法廷判決参照)。従つて、論旨は採用に値しない。

同第二点に対する判断。

憲法が陪審手続を保障したものでないことは当裁判所大法廷の判決の趣旨に徴し

て明かである(昭和二四年新(れ)第三〇一号同二五年一〇月二五日言渡大法廷判

決)。しかる以上陪審手続は特に法律で定めたものであるからこれを法律で停止す

ることを得るのは云うを待たない。そして陪審法は所論の如く法律で停止せられ未

だ実施されて居ないのだから原審がこれを適用しなかつたのは当然で論旨は採用に

値しない。

よつて裁判官全員一致の意見により旧刑訴四四六条に従つて主文のとおり判決す

る。

検察官 福島幸夫関与

昭和二六年五月八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

- 1 -

裁判官 河 村 又 介

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!